断面は2枚の板の間に斜めのリブが入っており、大きさは幅60cm、長さ25mの中空押出形材です。
ダブルスキンを組み立てると車体全体は外側と内側に2枚の皮をもつ構造となります。これを「ダブルスキン構造」といい、ヨーロッパなどのアルミ車両の多くはこの構造となっています。

1.遮音特性に優れている。
2.制振材を一体化することにより、客室騒音をきわめて低く抑えることができる。
3.剛性が強く車体のたわみがすくない。
4.柱が不要となるため、広い客室を実現できる。また、組立工数も削減できる。
シングルスキンとは中空部がない形状の形材で、車体の外皮を構成し、同じく垂木や窓柱に骨材を配して構成する方法です。
ダブルスキンはこの骨材がほとんど必要ないので、客室内にゆとりと開放感を与えます。

 昭和39年に登場した東海道新幹線0系車両は鋼製でした。
 その後、昭和57年の東北・上越新幹線の開業を機に、耐雪型の車両が求められ、200系車両がはじめてアルミニウム合金でつくられました。
200系車両は大型押出材と幅広板材を使用し、骨材に板材をとりつけ、主要機器を雪から守る構造になりました。このため従来の材料では重量が増すため、アルミニウムが採用され、車体の軽量化を果たすことができました。
 昭和59年には東海道・山陽新幹線に、鋼製で軽量化を図った100系がつくられましたが、車体重量は9.0トンで大幅な軽量化ははかられませんでした。
 平成2年に東海道・山陽新幹線にアルミニウム製の300系車両がシングルスキン構造で登場しました。のぞみ≠フ愛称を最初につけた300系は0系新幹線車両に比べて、一挙に4割の軽量化が図られました。
 平成11年には、東海道・山陽新幹線700系車両が300系車両をベースにつくられました。これはダブルスキン構造のため、重量は若干重くなりましたが、剛性・遮音性に優れ、居住性を追求したまさに未来指向の、人に優しい新幹線として人気を集めています。