〈技術データ〉
ポリアミドにおける難燃助剤 Flamtard の効果
ポリアミド(ナイロン)は、エンプラとして最も古い歴史を持っており、当初は繊維用として、その後 その優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性から成形用エンプラとして広く使用されている。
中でも電気・電子部品、自動車部品、家具・建材用途向には、難燃剤を添加したナイロン樹脂コンパウンドが必須である。
Flamtard は、ナイロン樹脂の持つ特性、特に耐熱性、熱安定性を劣化させずに良好な難燃性を付与することができる優れた難燃助剤である。
以下、その特性及び実施例を紹介する。
1.特性
・Flamtard は、錫と亜鉛で構成された環境に優しい無機化合物である。
・Flamtard には、2 種類あり、その特性は、以下の通りである。
2.効果
ポリアミド( PA6 )での効果を2 例以下示す。
(1) 配合
ポリマー
ポリアミド、 PA6 Akulow F-B6-C 100PHR
安定剤
Ciba Irganox B1171 0.5PHR
難燃剤
臭素化エポキシポリマー DSBG F-2400
デカブロモジフェニルエーテル(Deca-BDE) DE-83R
難燃助剤
三酸化アンチモン
FlamtardS
(2) 実施例1 コーンカロリーメータによる難燃効果
出典:University of Bolton (England)
※
F-2400
:臭素化エポキシポリマー
臭素含有量 約50%
Deca-BDE
:デカブロモジフェニルエーテル
臭素含有量 約80%
(3) 実施例2 酸素指数とUL94での効果
出典:University of Bolton (England)
(4) まとめ
1)
コーンカロリーメータの実施例1では、難燃剤Deca-BDE に対し、助剤FlamtardSを使用することで最高発熱速度が減速し、煙の抑煙効果が著しい。
2)
FlamtardSの場合、三酸化アンチモンに比較しChar 生成量が多く、難燃、抑煙効果の発現過程が異なると予想される。
3)
実施例2から同量添加量においては、FlamtardSのみ 電気・電子部材で要求されるUL-94:V-0 を達成できる。
4)
しかも、成形品ピースの観察で外観上助剤添加による変化等が見られず、ポリアミド樹脂に適していると判断される。
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